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2021AW Styling Sample 「Brithish Influence Suit-②」~英国の影響力~|銀座店

2021-08-11|

2021AW銀座店展開の店頭スタイルサンプル紹介の第二弾です。

今回も服地はV.B.C.のSuper120’sです。最近ではこの手の表面をしている者をソフトフランネルと呼ぶ傾向がありますが、正しくは“少し起毛が利いたサキソニー”です。フランネルとサキソニーは兄弟みたいなものですが別物としたほうが本当のフランネルの存在価値が上がりますね(笑)。また、洗練された光沢があり着用期間が長い服地もいいのですが冬らしい季節を感じることができる、この様な服地は洗練された魅力が多く感じられるのは私だけなのでしょうか。

このスタイルサンプルの英国的な部分は意外にもイタリア製のV.B.C.服地にあります。次に印象的に感じるのはヴェステッドスーツであること。それもノッチド・ラペル付きのヴェストというのが案外と相手に対して深い印象を与えます。また肩は他のスーツに比べるとやや反り返る稜線を描き肩の先端はセミロープドショルダーと構成されているところがBritish Influence Suitと宣う大きな所以です。高い位置でのウエストの絞り込みやハッキングポケットはあらためて言わないと気付かないディテールですが、その辺もこのスーツの雰囲気をスープアップしています。

組下のトラウザースはヴェステッドスーツということもあって一応ベルトレス仕様にしております。ストラップ付きのベルトレスの場合ウエストサイズをほんのちょっぴり大きめにしてストラップの役目を活すべきでしょうが、多くのお客様がストラップ自体が装飾的な扱いになるのが多いのが現状です。また、ブレーシーズ(サスペンダー)でトラウザースを吊ればストラップ自体が不要となる事もあるので、腰周りをすっきりするために敢えて何もつけないドレッシーなビスポークベルトレスにしています。

また、前面は2本のインタック。ここにきて数年ノータック一辺倒だったトラウザースデザインもタック付の受注がいつの間にか逆転してサンプルも時勢に合わせたものとなっています。モダンではなくクラシックテイストのトラウザースであればタック付にすべきです。とりわけ英国調ともなればリバース(イン)タックにするのは更に正統に近づきます。

V.B.C.の服地は京都ビスポークの“総毛芯仕立て”との相性が良く、価格以上の仕立て映えが表現できるのが最大の魅力です。とくにジャケットの前面のラペルラインは豊かなロールを描きビスポークスーツならではのシルエットを表現できます。

過去最大級の品揃えとなった銀座店の秋の服地コレクションと併せてご覧くださいませ。

 

銀座店 古賀一範

 

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