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洋服好きなお客様の仕上り品|銀座店

2021-03-02|

今回は銀座店の管理業務を委託させていただいてる方からの注文のお品物を紹介いたします。今回で2着目となるオーダーなのですが、1着目が仕上がった後に体型がだいぶスリムになられたので今回はサイズの全面的な見直しをする前提ではありました。しかしサイズ以上に、今回はシルエット、デザイン、ディテールをカスタマイズ(※)することに重点を置いたビスポークとなりました。というのも、これ迄散々服道楽をされてこられて、普段はハイブランドの服を洋服の知識と技術をお持ちである奥様がリメイクされたモノをかっこ良く着ていらっしゃいます。最近はテーラードクロージングには興味がなくしていたところ私共が出店したことで再びモチベーションがあがったそうで、今回の受注には相当気合いが入っておられました。デザイン参考品のお持ち込みやちょっとした仕事の合間に店に立ち寄っていただき、お打ち合わせさせてもらった設計イメージの打合せは上記のもの以外に4枚にもなりました。その結果仕立て上がったお品物が以下の写真です。

フロントデザインはダブルブレステッド6B段返り1つ掛け。掛け釦位置から下のフロントカットの長さはショートレングスにして打合いをロングターンにする事が基本になっています。よく見ればラペルラインはカーブを強めに描くヴェリートラペルにして更に幅広にしてクラシカルな雰囲気に。その分フロント釦の最上層の2個の取り付け位置を整合するするために15㍉外側に逃がしてある。また、フラワーホールは本物のダブルブレストの証の意味で左右に開けた。ショルダーのコンストラクションはコーンケープではなくマニカカミーチャにする事で、ちょっと厳ついダブルの雰囲気を和らげた。この辺のセンスは凄いと思う。さすがに伊達に洋服道楽はされていない。押し引きで調節した絶妙な設定だと思う。

服地はイタリア製のソフトな紡毛素材をチョイスされたが、同時にこれだ!という感じでネクタイも瞬間的に撰ばれた。ネップに韻を踏む粋な合わせだ。

    

スポーティというよりノーフォーク的要素を含む袖付け部分。またベントはフレンチスタイルに起因する浅めのサイドベンツ。

    

試着時には仕立てた服にあわせて時計やシューズも奇麗に合わせて用意してきていただいた。

表地のハウンドツースにこれでもかという感じで、裏地もハウンドツース!私は反対したが意外と合った(笑)お見それしました。

T.T.様、今後とも楽しいご注文よろしくお願いいたします。

※このようなカスタマイズは一般の付属オプション料金以外に追加料金が必要となります。